二次被害

仮想通貨詐欺の追加送金に注意|税金・保証金を求められたときの確認順

仮想通貨を出金しようとしたら、「税金を先に払ってください」「保証金が必要です」「口座凍結を解除する費用を送ってください」と言われた。

この段階では、戻したい気持ちから説明どおりに送金したくなります。けれど、追加の支払いは先に進めず、理由が分かる画面と会話を保存することが優先です。

警察庁は、SNS型投資詐欺で「投資金」や「手数料」などの名目で振込を求める手口を案内しています。この記事では、追加送金を求められたときに、何を止めて、何を残し、どこへ相談するかを順に整理します。

※この記事は返金や資産回復を保証するものではありません。緊急性があると感じる場合は、送金先や相手へ連絡する前に、警察・消費生活センター・利用したサービスの公式窓口へ相談してください。

被害後に「返金できます」と連絡が来た場合

追加送金を止めたあと、別の業者や調査会社を名乗る人から返金を持ちかけられることがあります。

最初の被害と同じ人物か、別の相手かは、連絡だけでは判断できません。

  • 会社名・担当者名・公式サイトを別経路で確認する
  • 調査範囲、料金、追加費用、契約期間を書面で確認する
  • 秘密鍵、リカバリーフレーズ、認証コードを渡さない
  • 「今日中」「必ず戻る」と急かされても支払わない

返金代行による二次被害の確認記事では、契約前に確認したい項目を整理しています。

追加請求と最初の送金を一枚にまとめる

最初に送った金額と、その後に求められた費用を混ぜると、相談先が被害の全体像を把握しにくくなります。

  1. 最初の送金日時・金額・通貨
  2. 送金先口座やウォレット、TXID
  3. 出金時に求められた税金・保証金・手数料
  4. 追加請求の日時、相手の説明、支払ったかどうか
  5. 残っている画面、会話、通知、明細

分からない項目は「不明」と書き、推測で埋めません。

結論:出金のための追加送金は、いったん止める

税金、保証金、本人確認費用、凍結解除費用、マネーロンダリング対策費用など、名称が違っても「払えば出金できる」という説明だけで送金することは避けます。

本当に必要な支払いかどうかを、その場のチャットや相手から送られたリンクだけで確かめることはできません。支払う前に、利用した取引所・銀行・決済サービスの公式窓口と、公的な相談先を確認します。

今すぐ止めること

  • 相手が指定したウォレット・口座への追加送金
  • 「今日中」「あと少し」と急かされてのカード購入や借入
  • 出金画面や会話を消したり、書き換えたりすること
  • 相手から送られたURLでの再ログインや本人確認

暗号資産の税金と「出金前の追加請求」は分けて考える

暗号資産の取引で利益が生じた場合の税務上の扱いと、投資サイトや相手から出金前に税金を送るよう求められることは、同じ話ではありません。

国税庁は、暗号資産を売却または使用することにより生じる利益について、原則として雑所得に区分され、確定申告が必要になる場合があると案内しています。

一方で、相手の指定口座やウォレットへ先に送金すれば出金できるという説明は、納税手続そのものを確認したことにはなりません。

  • 税務の確認:売却・交換・使用などで利益が生じたか、取引履歴と取得価額をもとに税務署や税理士へ確認する
  • 追加請求の確認:誰が、どの公式窓口から、何の根拠で請求しているかを相手のメッセージとは別経路で確認する
  • 送金前の対応:出金のための税金・保証金・解除費用を相手へ追加送金せず、画面・会話・送金履歴を保存する

国税庁「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」で税務の一般的な案内を確認し、個別の申告要否や計算は自分の取引記録をもとに専門窓口へ相談してください。

金融庁「金融サービス利用者相談室」は、出金時に保証金や税金などの名目で金銭をだまし取られた事例を案内しています。

糸川のぞみ(望ちゃん)

税金の確認と、出金のための追加送金は別に整理します。送る前に、公式窓口と手元の記録を照合しましょう。

追加送金でよく使われる説明

出金できない理由は、もっともらしい言葉で伝えられることがあります。名称だけで詐欺と決めつけるのではなく、「誰が」「どの根拠で」「どこへ」支払いを求めているかを分けて確認します。

  • 税金・所得税:出金前に納税が必要だという説明
  • 保証金・保険金:取引の安全性や口座の信用を理由にした説明
  • 凍結解除費用:口座やウォレットがロックされたとして求める説明
  • 手数料・認証費:海外送金、本人確認、AML対策などを理由にした説明

支払いの根拠や返金時期が、相手の説明だけで変わる場合は、送金前に立ち止まることが大切です。

画面と会話を残す順番

出金できない画面を全体で保存する

エラー表示だけでなく、サイトURL、アカウント名、残高、出金申請日時、追加費用の案内が分かる状態で保存します。画面の一部を切り抜くより、全体画面と詳細画面を両方残すほうが後で説明しやすくなります。

追加請求のメッセージを時系列にする

LINE、Telegram、メール、SNSのDMなどで届いた説明は、日付が分かる形で保存します。相手の表示名・ID・プロフィール、最初の勧誘、送金指示、出金拒否、追加請求を順に並べます。

送金履歴をコピーして残す

すでに送った暗号資産は、送金日時・通貨・金額・送金先アドレス・TXIDを残します。TXIDが見つからない場合も、取引所の出金履歴、振込明細、通知メールが手掛かりになります。

TXID・送金先・会話履歴の保存方法を詳しく確認する

追加送金を止めた後の相談先

相談先は一つに絞る必要はありません。被害の相談、公的な助言、利用サービスの記録確認では、窓口ごとの役割が異なります。

  • 消費生活センター(188):勧誘や契約、追加請求について状況を整理したいとき
  • 警察相談(#9110):詐欺被害が疑われ、相談先を確認したいとき
  • 取引所・銀行・決済サービス:自分で確認した公式窓口から、取引履歴や不審な送金について伝えるとき
  • 弁護士:返金請求など法的な手続きを個別に検討したいとき

伝える内容は、勧誘の経緯、送金日時・金額、出金できない理由、追加請求の内容、残っている記録の順にまとめます。相談先ごとの役割と伝え方もあわせて確認してください。

「取り戻せる」という二次被害にも注意する

被害後は、返金や追跡をうたう連絡が届くことがあります。調査や相談を検討する場合も、返金が確約されると考えず、調査の範囲、費用、追加費用、契約書、成果物を確認してから判断します。

糸川のぞみ(望ちゃん)

焦っているときほど、「今払えば出金できる」と「今契約すれば回収できる」を別にして確認します。

返金可能性を数字だけで判断できない理由は、返金可能性の記事で整理しています。まずは追加送金を止め、手元の事実を残すことから始めます。

相談前の確認メモ

  1. いつ、どこで投資や暗号資産を勧められたか
  2. いくらを、どの方法で、どこへ送ったか
  3. 出金できない理由と、追加で求められた金額・名目
  4. 相手のアカウント、サイトURL、連絡先
  5. 保存した画面、TXID、明細、会話の場所

分からない欄は空欄のままで構いません。推測で埋めず、確認できた情報だけを並べます。

よくある質問

税金を払えば出金できると言われました。

その場で追加送金せず、出金画面と相手の説明を保存してください。相手から送られたリンクではなく、利用したサービスの公式窓口と公的な相談先を確認します。

すでに保証金を送ってしまいました。

追加の支払いは止め、送金履歴、送金先、TXID、会話を保存します。支払った回数や金額も時系列にして相談時に伝えてください。

相手をブロックしてもよいですか?

会話・プロフィール・サイトURLを保存した後に判断します。危険を感じる連絡には応じず、必要に応じて警察や消費生活センターへ相談してください。

民間の調査サービスへ相談してもよいですか?

相談先の一つとして検討できますが、返金保証ではなく、対応範囲、費用、追加費用、契約条件、成果物を確認してから判断します。

参考にした情報