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復興レポート

特集
ふるさとツナグ絆5「糸魚川高校 出版委員会」
2019/02/13

 糸魚川高校の学校新聞は、校内だけでなく地域の出来事や人物に焦点を当てた記事が掲載されています。校章のモチーフである「あおい」の名を冠し、140号以上発行されてきた伝統の学校新聞を制作しているのは、出版委員会に所属する生徒たち。今回は委員会を代表し、委員長と1年生2名から高校生記者の目線で話を聞きました。


出版委員会とは

糸魚川高校 3年生 出版委員会委員長 利根川 美優(とねがわ みゆ)さん

糸魚川高校 3年生 出版委員会委員長 利根川 美優(とねがわ みゆ)さん

 センター試験が間近に迫った1月の、どこかそわそわした雰囲気を感じる放課後の教室。今回の取材に応じてくれた彼女たち3人は、学校新聞『あおい』の記者として、普段は「取材する側」に立つ出版委員会のメンバーです。記事の取材から執筆まで、中身はすべて各クラスから2名ずつ選出された委員会メンバーで分担。発行時期は主に学期末ということで、余裕を持った執筆を目指してはいますが、期末試験のテスト勉強との両立に苦労することもあるそうです。「自分の言葉でどう表現すれば読んだ人に伝わるか、それを考えて書くと文章力がつく」と語る利根川さんは、2年続けて所属し、今年の委員長も任されたベテラン。恩田さんと齋藤さんは、体験入学の際に体育祭を特集した『あおい』を見て「一緒にやろう」と立候補。「今まで誰かにインタビューをすることなんてなかったので、いい経験になっている」、「喋るのが苦手でしたが、取材に行くことでコミュニケーション能力がついてきた」と話す、やる気溢れる一年生です。


取材先での思いがけない対応

(左)糸魚川高校 1年生 齋藤 愛実(さいとう あみ)さん (右)糸魚川高校 1年生 恩田 さくら(おんだ さくら)さん

 出版委員会に在籍中、様々な取材を経験し、糸魚川市駅北大火についても記事を書いた利根川さん。大火で店舗が全焼した「イチコ洋菓子店」を取材した際、当時の様子は思い出したくないのではと、踏み込んだ質問をすることにためらいがありました。しかし、実際のインタビューでは意外にも明るく話をしてもらえたため、思ってもみなかった取材展開に内心驚いたそうです。自ら用意した『なにが支えになりましたか?』という質問では、「今まで来ていただいたお客さんや地域の方、ネット上でも励ましの声があって、やり直そうという力になった」との言葉を引き出すことができ、その時のことを「地域の中での支え合いを実感しました」と振り返ります。昨年7月に発行された『あおい』には、利根川さんが取材で得たこのエピソードのほか、客層の変化や新メニューの情報、働くスタッフの意気込みがしっかりとまとめられていました。


高校生記者が行く

学校新聞『あおい』と、大火2年事業を取材した最新号『あおいmini』(縮小版) 期間限定で「復興まちづくり情報センター」にも掲示しています。

学校新聞『あおい』と、大火2年事業を取材した最新号『あおいmini』(縮小版) 期間限定で「復興まちづくり情報センター」にも掲示しています。

 時には情報を足で稼ぐこともあります。昨年12月22日に駅北大火2年事業として開催された「復興まち歩きの日2018」では、イベントの一環として行われたイルミネーション点灯式の取材を恩田さんと齋藤さんが担当。様々な催しで盛り上がる現場でインタビューを行い、来場者用、運営担当者用、子ども用…と取材対象者ごとに事前に用意した質問事項をもとに、声を掛けていきました。なかでも印象に残ったやりとりを訊ねると、以前HOPEで紹介した野村さん(復興まちづくり情報センター)の「被災者の方がそういうこともあったね、と笑顔で言えるようにならないと復興できたとは言えない」という言葉を挙げた齋藤さん。「少しずつ復興できていると思っていたけれど、その言葉を聞いてまだまだなんだって思いました」。
 一方の恩田さんは、「これからの糸魚川を担っていくことになるので、自ら行動を起こせる人になってほしい」と米田市長から若者へのメッセージを受け取り、自分たち若い世代が期待されていることをひしひしと感じたといいます。これらのインタビューの様子は最新号の『あおいmini』で詳しく取り上げられています。

 


“いつかこのまちに戻れたら”

3年生と1年生ということもあり、実はインタビュー当日まであまり喋ったことがなかったそうですが、そんな雰囲気を感じさせない取材でした。

3年生と1年生ということもあり、実はインタビュー当日まであまり喋ったことがなかったそうですが、そんな雰囲気を感じさせない取材でした。

 昨年は一年生が総合学習で「糸魚川で働く人たちに学ぶ」キャリア学習を行うなど、近年糸魚川高校では、地域に密着した活動に力を入れています。進学や就職で糸魚川を離れる生徒が多いなか、校外の人とも接点がある出版委員会のメンバーは、地元に対する想いに変化がありました。「将来は進学しようと考えているけれど、最終的には戻ってきたい(齋藤)」「キャリア学習で市の担当者の話を聞いて、進学しても糸魚川に戻ってきたいなと思いました(恩田)」「取材を重ねて思ったのが、自分が育ったまちなので、いつかまちづくりにも参加出来たらいいなと(利根川)」。現状のまちについては「さみしい、静か」と感じながらも、それぞれが思い描く未来の先に“糸魚川に戻る”という選択肢が生まれている3人。伝統ある学校新聞をつくり続けてきた出版委員会としての経験が、彼女たちにとって地元の良さを知る代えがたい機会になっているのかもしれません。
 歴代の高校生記者のみずみずしい感性が光る、学校新聞『あおい』。生徒が主体の報道機関として、これからも長く発行が続くとともに、紙面づくりに携わる頼もしい生徒たちを見守っていきたいですね。

 


COLUMN

 

将来の就職先
 図は、糸魚川高校1年生を対象とした「将来の就職先」についてのアンケート結果です。県外の割合が多く、大学へ進学後、そのままその土地で働くことを考えている学生が増えています。糸魚川市の割合は5%ですが、現在糸魚川市では、市内で初めて就職する方を対象に、就職に必要となる資金の貸付制度「ふるさと就職資金貸付制度」や若者のUIターン就職を促進するための支援「ふるさと就職活動支援補助金」も設けており、学生たちの「いつか戻ってこれたら」という気持ちの受け皿づくりを進めています。

糸魚川就活フェア 3/17(日) 13:00~15:30
入場無料、申込・履歴書不要
会場 ヒスイ王国館
内容 市内の企業による企業説明・面談
対象 市内で就職を希望する方並びにその保護者

お問合せ先/糸魚川市 商工観光課 企業支援室 TEL.025-552-1511

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