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復興レポート

インタビュー | 特集
商店街のココロ粋「糸魚川信用組合」
2018/08/08

 糸魚川信用組合は昭和26年9月に設立して以来、地域に根差した金融機関として糸魚川を支えています。今回は、復興に関する実行部隊「糸魚川市復興・活性化タスクフォース」のリーダーも務める理事長黒石さんと、いといがわ復興マルシェの事務局を担当する、まちづくり推進室室長の伊藤さんからお話を伺いました。


信用組合としての役割

糸魚川信用組合 理事長 黒石 孝さん

糸魚川信用組合 理事長 黒石 孝さん

 糸魚川市駅北大火が発生した12月22日、糸魚川信用組合本町支店は火の中にありました。伊藤さんは当時を振り返り、「支店長や何人かが最後まで水をかけていたんだけど『出てください』って退去命令が出てね。でも、職員が完璧な対応をしてくれたから支店に水がかかっても店舗被害は大きくなかった」と話します。本町支店の職員が、火や消火の水が少し降りかかっても大丈夫なようにブルーシートを買ってきて、支店内の機器に掛けてから避難したおかげで、被害を最小限に留められたそうです。その後の対応についても、自組合が被災しながらも、まずは着の身着のまま焼け出された被災者のための金融措置が差し迫った課題であると、大火の翌土曜日から本店に臨時窓口を設置。被災した方の顔がわかる本町支店の職員も受付窓口に立ちました。「こういう時、信用組合は強いんですよ。職員が皆さんの顔を覚えているから。当組合の一番の武器はお客様がみんな顔見知りだということですね」。そう話す黒石理事長の指示のもと、通帳がない人でも本人の顔と名前が一致すれば窓口で受け付けるとして、柔軟な対応をとりました。「一番大事なことは、被災地に明かりを灯すこと。店が開いて営業していれば、それだけで喜ぶ人がいる」と、黒石理事長は話します。率先して明かりを灯してきた糸魚川信用組合は、被災前と変わらず地域貢献に尽力されています。


復興マルシェ開催に至るまで

糸魚川信用組合まちづくり推進室室長 伊藤 一久さん

糸魚川信用組合まちづくり推進室室長 伊藤 一久さん

 れまでにぎわい創出広場で3回行われてきたいといがわ復興マルシェ。まちに浸透しつつあるイベントの発端は、どこにあったのでしょうか。きっかけを二人に尋ねてみると、平成29年1月に大火に対する復興支援として、関東財務局主催で開催された糸魚川市復興フォーラムの中で「計画を実行する部隊として、糸魚川市や商工会議所、いくつかの金融機関を中心に『糸魚川市復興・活性化タスクフォース』が組織されたこと」が、マルシェにとって最初の一歩になったそうです。糸魚川信用組合が事務局、黒石理事長がリーダーとして音頭をとり、被災地を活気づけるべく、①「糸魚川“復興”マルシェ」の名前にすること ②被災地内で開催し被災者の出店もあること ③被災から1年以内に開催すること という3つの条件のもと、市内と市外で半々の割合で40店舗ほどの出店者を募ろうと動き出します。しかし、初めてのものを作り上げるのは簡単なことではありません。当初は予算が潤沢とはいえず、県の復興予算から出た補助金の他に「マルシェ開催のために理事長が走り回って資金を集めていました」と伊藤さんは少し苦笑い。それでも「携わっている各金融機関で出店者の声掛けを行いました。県内のお店だったり、第一勧業信用組合が東京から4店舗連れて来てくれたり。おかげで第1回目はバランス良く様々なお店が出店してくれました」と感慨深い表情の黒石理事長。今後のマルシェに対しても同様に意気込みを覗かせていました。


「復興」のその先へ

笑顔で思い出を振り返る二人の胸元にはマルシェのバッジが

笑顔で思い出を振り返る二人の胸元にはマルシェのバッジが

 現在“若者子育て世代が集いたくなる、ヒトづくり、マチづくりのたまり場”をコンセプトに、にぎわい創出広場の整備が進められています。誰でも参加できる利用会議が設けられる中、マルシェの会場として広場を活用している経緯から今後の展望を伺うと、「にぎわい創出広場から広がって商店街まで、あの場所に市民が集う求心力を期待しています」と伊藤さん。黒石理事長は「にぎわいの拠点が広場に移ったのかなという気もします。ただ、私たちのような金融機関は場を提供することはできるけど、プレーヤー(=参加者)になることはなかなか難しい」とした上で、「若い人たちから携わってもらってプレーヤーをどれだけつくっていけるか、それがまちづくりの根幹になる」と言います。「復興マルシェ」として立ちあがった企画も今年10月の開催でひとつの区切りとなり、今後は復興の看板が外された「いといがわマルシェ」としての運営が企画されています。当面の目標は、マルシェそのものに個性・糸魚川らしさを出し、「糸魚川のマルシェおもしろいね」と人から人へ情報が広がって自然に出店者が集まる、行ってみたいイベントにつくりあげていくこと。マルシェの次のステージはすでに動き出しています。


地域から経済を生み出す

 力を入れているのは、マルシェだけではありません。糸魚川信用組合では、起業に関心のある方、創業間もない方などを対象に「1Day Startup Dojo」と題するワークショップを開き、自立的な起業にも力を入れています。起業・創業と聞くとどうしても大きなものを想像してしまいがちですが、インターネットが発達した昨今は、例えば民宿を開く、ネットショップを立ち上げるなど「地域性がある」「名前を聞いただけでビジネスがイメージできる」「ネットのみでも完結する」等の要素を満たしたものが、ひとつのビジネスモデル(スモールビジネス)として成立しています。規模で言えば小さな事業でも、糸魚川を拠点に全国を相手にする仕事をどうやって展開していくか。こうした活動に力を入れる理由を、「東京から2時間圏内になったこともあり、糸魚川らしさをつくっていって、若い人にはとにかく『自分たちでなにかやる』というのをかたちにしてほしい。自発的な起業がないと地域は活性化していきませんから」と黒石理事長が口にすると、「自発的な行動は簡単じゃないかもしれないけれど、『信組がやっていることだし』と冷めないで、義務感ばかりではなく楽しんでやってもらいたいですね」と伊藤さんも続きます。マルシェに限らず、人それぞれの個性を土台とし、若者が夢と目標をもって活動する姿が糸魚川でも見えてきました。「我々が若いころは自立してやろうなんていう気持ちが持てなかったから、今の若い人は勇気があると思う。それを全面的にバックアップして育てていきたい」。組合員や地域社会の利益を優先する信用組合の理念のもと、まちづくりの縁の下の力持ちであり続ける。それが糸魚川信用組合の魅力であり、信用の根源でもあると感じました。

第3回いといがわ復興マルシェの様子

第3回いといがわ復興マルシェの様子

 


Information

8月11日・12日に開催予定のイベント情報をお伝えします! ぜひご家族揃ってお出かけください♪

「いといがわ復興マルシェ」
日時:8月11日(土)10:00~15:00
会場:にぎわい創出広場
夏マルシェ開催!今回は29店舗が出店します。

「お化けの館 2018inまちなか」
日時:8月11日(土)開場12:00/最終入場18:00
   8月12日(日)開場10:00/最終入場16:00
入場料100円(当日販売)
集合場所:糸魚川地区公民館

商店街等イベント「日本海口まわ~るが『おばけロード』に変わる」
期間:8月11日(土)・12日(日)
商店街でキーホルダーがもらえるスタンプラリーのほか、期間限定でお化け商品を取り扱うお店も!

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